最も思い出に残っている私のFX取引経験 得られた教訓と自信


 今まで私が思い出に残っている取引は3つあります。1つ目は初めてFXデビューした時、2つ目は東日本大震災前後、3つ目はアベノミクススタート時です。どれも私のFXトレード観に大きな影響を与えているものなので、これを機にお話ししたいと思います。

(1) FXデビューで経験した「ジェットコースター」

 私がFXデビューしたのは大学時代でした。当時はリーマンショック前でちょうど株やFXが凄まじいブームでした。大学生の友人から高値持ち合いを続けていた豪ドルの売りを薦められ、よく分からないままバイトで貯めたなけなしの10万円を突っ込んだ途端、1時間もしないうちに13万円になった、あの時の衝撃は未だに忘れられません。

 しかも友人の言った通り、持ち合いが下にブレイク、当時は証拠金規制も緩かったために10万円は一瞬にして30万円になりました、たった1日で30万円を手にした私は、今後も当然下がるのだろうと思い、得た含み益を証拠金にあて調子にのって倍プッシュをかけました。今から思えば典型的な負けパターンですね。

 ご多分に漏れず、売りを上積みしたところが底値で、下げた分はあっという間にV字回復しポジションは強制ロスカット、最終的に手元に残ったのは3万円というあり様でした。一時期は3倍にもなったものが、最終的には1/3になってしまった……結果は残念でしたが、うまくタイミングさえ合えば儲かるのだという感覚が忘れられず、こうして私はFXにのめりこむことになります。

(2) 震災後の取引で「あきらめない大切さ」を学ぶ

 その後リーマンショック時はインターバルを置きながらも、勝ったり負けたりを繰り返していたのですが、大きな転機が訪れたのは東日本大震災の時です。震災直後は円を売れば絶対儲かると思った私は、1ドル82円でドル円を買いでエントリーしました。それまでも年間を通して随分下がっていましたし、なにより80円を割れることは歴史的に見ても絶対にないだろう、と思ったのです。

 しかし、みなさんがご存知の通り、震災発生から数日後の明け方、海外ファンドの仕掛けによって事件は起こりました。1ドル78円を顕示してしまったのです。明け方、見事に私のポジションはロスカットされていました。

 しかし、この時私はロスカットされたのにもかかわらず、またとないチャンスだと思いました。なぜならこれだけの下げは必ずある程度戻すこと、ストップロスを狙った単発的な仕掛けなら後が続かないので尚更そうであること、さらに70円台という未曽有の事態に政府が必ずなんらかしらの手を打ってくるだろうという確信があったからです。

 速攻で私は証券会社に入金してあるお金全額を投入し、さらに貯金もぶち込んで、ドル円の買いポジションを極限まで構築しました。結果は、協調介入。ロスカットされた分の損失を補って有り余るほどの資金が調達できたのです。この時私は、FXでは絶対にあきらめてはダメだ、あきらめなければ必ずチャンスはあるのだ、ということをいやというほど実感させられました。

 この事件があった後、結局ドル円は75円台までズルズルと下がることになります。何度か介入もあり、介入を利用して海外業者で大きく儲けさせてもらったりもしましたが、肝心のポジションは79円から買い持ちのままでした。絶対に下がらないという確信があったからです。

(3) アベノミクススタート時、相場眼に自信をつける

 しかし、いくら低レバレッジとは言え、このまま底なし沼的に下がり続けていてはいつかロスカットされる……。そんな思いで不安になっていましたが、自民党が金融緩和をごり押ししたいことは選挙前から分かっていましたし、その時が来るまで、執拗に79円のポジションを持ち続けました。そして結果は、今我々がみているドル円のチャートのとおりです。残念ながら私は95円で全ポジションを決済してしまいましたが、それでも1年半耐えただけの見返りはお釣りがくるレベルで得ることができました。この時強く実感したのは、最後に信じるのは自分であり、信じていればいつかは救われるということ。そして、毎日ニュースに目を光らせて政策動向に通暁していれば、必ず世の中の先をいけるのだ、という自信です。

 このような失敗や成功の積み重ねが、今の私のFX人生を作っています。経験を金で買うことは出来ない、といいますが、FXだけは経験を金で買えます(笑)。みなさんもぜひ色々なイレギュラー相場を体験することで、相場眼や心の持ち方を自分なりに構築していただけたら、と思います。(執筆者:大島 正宏)