原油価格暴落とスイス中銀フラッシュクラッシュで事態激変


原油価格暴落とスイス中銀フラッシュクラッシュで事態激変~1月22日ECB理事会後もしくはギリシャ総選挙後のユーロ急激な買戻しに注意

 1月に入ってからとにかく金融市場はマイナスの要素だけが噴出するようになっており、市場の状況を見極めるのが極めて難しくなっています。そんな中でも気にしておかなくてはならないのがヘッジファンドを中心とする投機筋のこの間の投資失敗に伴う損失補てんのための金融商品の換金売りの動きです。本来ECB理事会自体での動きが注目されてきたのがこれまでの市場状況ですが、昨今の状況を反映してこうした損の穴埋めに絡む投機筋の予想外の動きに十分な注意が必要になっているのです。

為替市場で膨大なポジションが維持されているドル円ロングとユーロドルショートは要注意

 SNBの1月15日の声明の裏事情として、いよいよECBが1月22日に量的金融緩和に踏み切る可能性がかなり高まってきていることがあげられますが、現状ではヘッジファンドの原油価格暴落に伴う損失とスイス中銀関連での損失の補填のためにこうした為替ポジションの売却が利用されるのではないかとの憶測が急激に強まっています。

 ただ、ECBの発表は22日、ギリシャの投票が25日ですから、この二つが終わるまで巻き戻しがくるタイミングはお預けとなりそうで、19日からの週でもっとも先行するリスクが高く、注意が必要となっているのがドル円ロングのまき戻しと考えられます。

ヘッジファンドの換金売りはレベル感無視で一気に全額決済が基本

 昨年から今年にかけては商品先物系のヘッジファンドの解散が多く見られ、投資商品の換金が相次いでいることが市場にも既に影響を与えていますが、今回のスイス中銀ショックはそれをはるかに越えるレベルであるため、商品系ファンドのみならず広範な投機筋が損失を抱えることとなっています。それだけに現状でたっぷり利益の乗っているポジションから売却をかけていくことはほぼ間違いない状況といえるのです。

 したがって22日のECB理事会前に換金売りのターゲットとなりやすいのはやはりドル円ということになるでしょう。ちなみにCFTCが16日に発表した1月13日時点の建玉報告では、CMEの通貨先物市場で投機筋の円のドル円のロングは売りと買いの差し引きで9万4625枚の売り越し・つまりドルロングとなっており542枚増加しています。

 もちろん1月15日直後に売られている分もあるはずですが、秋口の1ドル105円程度から買いにしていてお10円以上の利がのっているのは間違いなく、売りの対象となる可能性は考慮しておくことが必要となります。

今回のスイス中銀関連での損害は2001年9・11を上回る?

 現状では、損害金額の総額は推定するすべもありませんが、投機筋がかなりやられていることは間違いなく、損失が確定次第、資産売却が加速する可能性がでてきています。1月後半はこうしたイレギュラーな取引の流れにくれぐれも注意をすることが重要です。とくにロンドン市場の動きは細心の注意を払うことをお勧めします。(執筆者:坂本 博)