スイスフランネタはもう賞味期限切れ? 市場は新たなネタ探しに


 スイス銀行によるユーロ/スイスの絶対防衛ライン撤廃で恐怖の扉が開いてしまったかに思われたものの、スイフフランは主軸通貨でもなくインパクトそのものが小さい上に、スイスフラン安が起きて同国の経済が崩壊したわけでも無いため、どうやら為替会社や債権会社に一時的なショックを与えたに留まったようです。

 しかし、それでも通貨が一日で30%も変動するという事態は尋常ではありません。過去に日本でも震災後ヘッジファンドの仕掛けによって急激な円高株安が発生し、FX会社や証券会社が顧客の出した損害をカバーし切れずに破綻した事件がありました。それでも、当時ドル円の変動率は3%に過ぎまなかったことを思えば、如何に今回の変動が短期的とはいえ、凄まじいインパクトを与えたかが窺い知れるというものです。

 ただし、市場は早くも次の関心である「景気の温度差」へと的を移し始めています。

 アメリカでは、好調な消費者マインド指数が先日発表されました。景気の先行きを占う上で消費者の考えを知ることはとても重要です。安定して雇用が増加していることに加え、原油安で経済が活性化していることが、ポジティブな影響を消費者に与えているようです。

 その一方で、日本では経済の先行きを不安視する声が日に日に高まっています。ドル円の不調で株価も頭を抑えられているうえ、これ以上の緩和も円安を助長させるために出来ません。アメリカと比べれば、原油安がガソリン価格に与える影響は日本では税制などの関係から軽微なため、経済の活性化も見込めそうにありません。

 欧州も相変わらず景気が伸び悩んでいるため、更なる量的緩和を行うとの観測もあります。ユーロがドルに対して11年ぶりの安値をつけたことにもユーロの状況が象徴されています。

 2014年から始まった「一人勝ちのアメリカ」と「出口なしの日欧」の関係は、どうやら今年もしばらく続きそうです。(執筆者:大島 正宏)