テクニカルチャートに依存しすぎないプライスアクショントレードの重要性


 2014年という年は為替の世界ではチャーティストにとっては極めて受難の年であったということができるのではないでしょうか。日銀主導の金融抑圧政策、つまり官製相場の履行は、株も為替もまともな押し目を作ることがなく、特に為替ではドル円105円のオプションをはさんで上下するタイミングで多くのチャーティストが下押しの可能性を示唆したにも係わらず、下押しはまったく見られず秋口からの暴騰に繋がってしまい、方向性を見誤ったトレーダーも多かったことと思います。

 本来押し目ができれば反発要因もあるため、買いのポイントを定めやすいわけですが、GPIFと思しきPKO集団がなんの脈絡もなく資金を投入してくるとチャートの形状は崩れ、しかもオシレーター系のチャートは悉く使い物にならなくなり、テクカルチャートを利用したが故に結果として騙しにあったトレーダーの方も多かったはずです。
しかし、いくらこうした相場の状況を憂いてみても、それが現実ですから、個人トレーダーとしてはしっかりとした対抗措置をとる必要があります。

プライスアクショントレードに集中してみる

 日常的にテクニカルチャートを見続けていますと、どうしてもチャートの発するシグナルに影響されて売買してしまうことが多くなるものですが、毎日一定の売買方針を立てるときにはいくつかのチャートをしっかり見ることにしても日常的な売買は最低限のチャートだけを表示して、あとはプライスアクションを見ることで勝負するというのが、意外に効率的な売買方法になることもあるのです。

 具体的には、次のような方法をとっていくことになります。まず毎朝トレンドラインを引いてみて、相場の方向感を把握します。さらに前日の高値、安値、終値を水平線に表示して、それ以外は最低限の移動平均線などだけの表示でプライスアクショントレードをしてみるというのがこの手法です。基本的には相場を一定時間見続けていく必要がありますが、何度上値をトライしても突破できないラインや、下値でもしっかりしたサポートラインが見えてくると、前日の価格の上下幅との関係でどちらに動きそうなのかが意外に見えてくるのがこうした手法の面白いところなのです。

価格の動きに集中すると次の一手が見えてくる

 FX取引の実に57%が日本人トレーダーによるものであると言われ、しかもその日本人とレーダーの実に8割以上がドル円に集中しているわけですから、少なからずドル円の動きに日本人の個人投資家の動きが影響を与えていることは間違いありません。したがって特に東京タイムになるとドル円はレンジ相場になりやすく日本人投資家独特の逆張りも増えるのが一つの傾向になります。

 しかし世界的なFX取引需要のもっとも大きなロンドンタイムになるとインターバンクのディーラーをはじめとして日本時間の午後3時すぎまで動いてきた方向と異なる方向に大きく動き出すことが多いのです。特に東京タイムで年初来高値などを記録した場合には悉く反対売買で攻めてくることが頻繁にあります。こうした流れも相場のプライスアクションの集中することによって判ってくるのです。

 ロンドンタイム以降はあくまでも順張りで相場についていくことが大きな利益を得るポイントになります。これはドル円に限らないことで、あらゆる通貨ペアがオーバーシュート気味に動きやすくなりますから、圧倒的に順張りが有利になるのです。こうした参加者の違いによる相場のセンチメントの変化もプライスアクションで把握することができるのです。

官製相場を乗りきるにはこうした相場自体から動きを察知する目利き感を養うべき

 国の都合で株価や為替相場を間接的に介入するかのような現在の官製相場では、とにかく最大の手がかりになるのは相場自体の動きとなります。ただし、逆方向に動き始めれば、市場のバーゲニングパワーのほうがGPIFや日銀の買い支えよりはるかに大きなものになることは間違いありません。したがってトレンドがでていることを妄信するのも大きなリスクとなることはあらかじめ認識しておくことが必要でしょう。(執筆者:坂本 博)