金融抑圧政策の行方 FXユーザーが真剣に考えておくべきポイント


 アベノミクスというのはすっかり総合的な経済政策であるかのように報道されるようになっていますが、皆さんご存知のとおり、実際に行われたのは日銀による金融緩和だけであり、とくに消費税率も上がらない中で10月末に行われた追加緩和は典型的な中央銀行による金融抑圧政策の様相を呈するようになっているのです。

金融抑圧って何?

 日本のメディアでは殆ど取り上げない言葉がこの金融抑圧といわれるもので、Financial repressionという英語からきている言葉といえます。この金融抑圧とは、証券、債券、通貨といった自由市場において、政府もしくはその流れを汲む中央銀行が個別の市場における価格形成に対して干渉する行為のことをこう呼んでいるのです。GPIFやかんぽといった準公的機関を使って株価の維持や上昇を目論んだり、日銀自身がETFを買うことで日経平均を買上げたり、さらにGPIFが外貨調達と称してドル円を買上げたりするのは典型的な金融抑圧政策と呼ばれるものといえます。

金融抑圧のメリットについて

 政府にとって金融抑圧が極めて魅力的なのは、まったく痛みを伴うような財政再建を伴実行することなく、負債を多額に発行することで資金調達レベルを引き上げることができるところにあります。つまり言葉は悪いですが、財政ファイナンスを中央銀行が行っているのが実情で日本円だけを増刷して借金の穴埋めに使っているだけの話であり、追加の財政出動はしてもまったく緊縮財政で出銭を減らそうという意識も動きも全く見られない国策バブルということになります。

ウルトラ負債はハイパーバブルで帳消しが目論みか?

 すでに国内GDPの2倍規模にまで膨れ上がっている日本の負債ですが、これをもろともせずに中央銀行主導でバブル経済を牽引していことするのがアベノミクスの実態ですから、将来的にどうこの負債を解消するのかが実は大変大きな問題となってきているわけです。過去における新興国の事例や戦後の日本ではハイパーインフレを起こすことで借金を帳消しにするといったやり方を現実に経験してきていますが、実はこうしたやり方でインフレを起こさせようとしている可能性は否定できないのが現状です

制御不能の円安相場に陥る可能性も

 話を為替の世界に引き戻しますと、まったく性懲りもなくアベノミクス第二幕と称して日銀主導による金融抑圧政策は2015年も粛々と継続し、3日に1度は380億円のETF買いが起こるのはもはや間違いありませんので、米国の利上げを見込んで2015年の前半までは間違いなくドル高にシフトすることになりそうですが問題は1ドル125円を超えたあたりから制御不能の悪い円安にシフトしてしまう可能性があることについては心配しておく必要があります。

 現在行われているのは中央銀行主導で円の切り下げを行っているわけですから、あらゆる国民の円ベースの個人資産はどんどんその価値を失っていくことになることだけは間違いありません。FXユーザーとしてはやはり外貨資産をどう管理して増やすことでリスクヘッジするかについて真剣に考える年がやってくることになりそうです。(執筆者:坂本 博)